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ほったらかし運用専用商品「ターゲット・デート・ファンド」のメリットとデメリット各3選

2021年4月4日

どうしても投資が好きになれない、そういった方はいませんか?近年は、様々な投資に関する情報がネットで得られるため、個人投資家のレベルが上がっているそうです。とはいえ、好きになれない物を学ぼうという気は起きないでしょう。

そこで、今回は、一度購入したらほったらかしで良い「ターゲット・デート・ファンド(ターゲット・イヤー・ファンドもしくはライフサイクル・ファンドとも言います)」を紹介します。この記事は、メリットとデメリットを把握し、自分の性格と実状にあった商品選択の手助けになるでしょう。

それでは、始めて行きましょう。

こんな方におすすめ

  • 投資に興味がないが、確定拠出年金をやらざるを得なくなった人
  • ターゲット・デート・ファンドのメリットとデメリットを知りたい人

ターゲット・デート・ファンドとは何か?

ターゲット・デート・ファンドとは「バランス型ファンド」の一つです。他には、「ターゲット・イヤー・ファンド」とか「ライフサイクル・ファンド」とか呼ばれることもあるそうです。

ターゲット・デート・ファンドの商品設計としては、「自動的に利確をし続け、期限が来たら、完全に利確をする」といった商品です。つまり、「ターゲット(目標)」「デート(date,日時)」ファンドという事ですね。略称はTDFです。

運用について細かい違いはあれど、ターゲット・デート・ファンドは「利確目標日が近づくにつれて、リスクを抑えた資産割合に変更していく設計」がなされています。つまり、少しずつ、想定利回りが低下していく商品でもあります。

これは何を意味しているかというと、「本来であれば、投資家が判断すべきだった、資産割合の変化があらかじめ設計されている」ということを意味するわけです。つまり、商品を一度買ってしまえば、投資家のやることは殆ど無くなる所が特徴になるのでしょう。

以下で、選び方やメリット、デメリットなど詳しく見ていきましょう。

ターゲット・デート・ファンドの選び方

ターゲット・デート・ファンドの選び方で最も重要な要素は「いつになったら現金化するか?」です。これが決まらないことにはターゲット・デート・ファンドを購入することは出来ません。

例えば、今が2021年だとして、30年後に受け取りたいと考えるのであれば、2051年前後に利確目標日が設定されているターゲット・デート・ファンドから選ぶ必要があります。商品として、1年単位で設定されているとも思えないので、2050年が利確日の物か2055年が利確目標日の物が選択肢に上がってくるでしょう。

あとは資産割合について、確認すべきでしょう。同じ利回りだったとしても、金融商品の組み合わせ方は複数ありますから、自分の考えにあったものが選べればベストです。

それでも選べないのであれば、最後は手数料が安いファンド、という選択肢もあります。手数料は必ずかかるコストなので、これが安いに越したことはありませんから。

ターゲット・デート・ファンドのメリット3選

出口を決めれば商品が概ね決まる

償還日を決めて商品を買うので、これで概ね商品が決まるのは非常に楽です。投資信託は似たような商品がたくさんありますから、「何かを決めたら数が絞れる」というのは非常にありがたい話ともいえます。

ほったらかし運用で良い

利確目標日までの金融資産割合変化はあらかじめ設計されたものがあり、それに従って、売り買いを実施する金融商品ですから、あとは完全にほったらかしで良い、というのもメリットです。

しかも、償還日が近づくにつれて、リスクを低減する様に資産割合を変動させるため、利確目標日直前で大きく損失が出るリスクは少ない、というのはうれしい点です。インデックス投資など、他の投資方法では、自分で利確をしていかないと、必要となったときに大きく資産価値が目減りしていることもあるので、これは大きな違いでしょう。

売り時も気にしなくて良い

ターゲット・デート・ファンドは「利確目標日」が決まっていますから、そのタイミングで事実上の現金化がなされます(実際は短期債券などにすることもあります)。ですから、売り時を気にしなくてもよい、というメリットがあります。

金融商品は金額が時間変動するため、買い時もさることながら、売り時を判断するのも非常に大変です。その判断が不要になる、という点で、この商品は優れています。

ターゲット・デート・ファンドのデメリット3選

途中で運用期間を修正しづらい

商品設計として、運用の仕方が決まっていて、自動的に運用がされる様に設計されているので、運用方針の修正が非常に難しくなります。

特に、ターゲット・デート・ファンドは基本的に「利確目標日」が決まっていることから、現金化を遅らせて、運用期間を延ばすことは出来ません。そのため、運用期間を延ばすためには、現金化された現金で再度金融商品を買う必要があります。一度利益確定が挟まり、そこで税金がかかるため、税制面で不利となります。逆に税金を払えば修正出来る、とも言えますが、その分利回りが悪化するので好ましいとは言えません。

商品の構成が見えづらい

バランス型の商品全体に言えることですが、ファンドがどういった金融商品で構成されているかを確認するのが非常に大変です。目論見書に、株式の割合や債券の割合は記載されていますが、実際にどの銘柄が組み込まれたのか?という点について、ターゲット・デート・ファンドは説明不足なことも多いです。

とはいえ、ある程度は仕方ない面もあります。バランス型は様々な金融商品を組み入れている都合で、構成銘柄を列挙するのが大変というのは理解が出来ます。逆に、こういった部分について気になるのであれば、こういった商品は買ってはいけない、という事でしょう。

利回りはそこそこに落ち着く

利回りはそこまで高くない商品が多いのもデメリットです。というのも、ターゲット・デート・ファンドは償還日に向けて、少しずつ、リスクを抑える様に設計されていますから、後半は利回りが落ちてくる傾向にあります。

自分で運用する場合には、社会情勢に応じて、利回り重視とリスク重視とを切り替えることが出来ますが、ターゲット・デート・ファンドではそういった運用は出来ず、結果として、利回りも低くなりがちです。

また、売買頻度がそれなりに高いのがターゲット・デート・ファンドの特徴になるので、売買手数料などの経費も高めになる傾向があります。結果として利回りを悪化させることになりかねません。

ターゲット・デート・ファンドがおすすめなのはこんな人

投資に時間を割きたくない人

純粋に投資に時間を取ることが出来ない人というのが一定数います。それはプライベートが忙しかったり、仕事が激務だったりと理由は様々です。こういった人は随時ポートフォリオを見直す余裕はなく、定期買い付けを行うのも大変であったりするため、少しでも投資の労力を抑えたいと考えるでしょう。

こういった方で、一般的な投資金額の人にはターゲット・デート・ファンドは助かるでしょう。出口の日時を決めたら、あとは積み立て投資をするだけなので、考えるコストがほとんどかかりません。

なお、本当に巨額の資産を持っている人は、専用の運用担当者を雇うでしょうから、こういった商品の対象にはならないでしょう。また、そこまで行かない方の場合、ターゲット・デート・ファンドでは十分なリスク調整が出来ない可能性が高くなりますので、個別に運用した方が良さそうです。ですので、投資の勉強をする余裕の無い、激務のサラリーマンや高給資格業といった辺りが対象になると考えられますね。

投資をするのが「怖い」人

投資で資産を移動するのが「怖い」と感じる層もいます。「投資が怖い」のになぜ投資をするのか、というと、企業型確定拠出年金が一般的に普及し、投資をせざるを得ない状況になっているからです。そういった「投資に怖さを感じる人」は運用などはやりたくないでしょう。また、「リスクを取るのは許容」する人でも、「自分で損失を作っている感があるのは嫌」という人も知っています。そういった人は自分で資産の移動をするのを躊躇したりするので、直接的な運用はやりづらいでしょう。

そういった人たちにとって、1度買ったらほったらかしで良い「ターゲット・デート・ファンド」はピッタリです。予め決められた通りに自動的に売り買いがされていくので、下手な人が運用するより、よっぽど良い成績が得られるでしょう。

投資に興味があるのなら

もしこれを読んでいるあなたが、投資に興味があるのなら、「ターゲット・デート・ファンド」を選ぶのはちょっと待って下さい。

「ターゲット・デート・ファンド」は運用が非常に簡単な反面、柔軟性に欠ける投資方法です。元々、「いつに現金化するか?」という出口戦略ありきで商品を購入するので、出口を変更するのは非常に困難なのです。

投資に興味がある、ということは、資産運用が「めんどくさい作業」ではなく、「楽しい趣味」になる可能性がある、ということです。10年以上の長期投資をする上で、1ヵ月程度は無視できる範囲でしょうから、1ヵ月くらい勉強してみて、それから資産投資を始めるのでも遅くはありません。

もし、自分で資産運用を考えているなら、運用利回りに関して記述した、以下の記事も参考にして下さい。利回りの考え方などを書いてあるので、参考になると思います。

参考積立NISAとiDeCoのおすすめシミュレーション方法

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おわりに

この記事では、ほったらかし専用商品である「ターゲット・デート・ファンド」について説明しました。

「出口の日付から逆算」して設計しており、「各製品の戦略に従い運用をする商品」になっているため、非常に投資へのハードルを下げてくれる商品です。しかし、一方で、自らが商品を運用をしている時に持っていた柔軟性は失われており、投資に興味のある人にとっては物足りない商品であるともいえます。また、出口が決まっていることから、方針転換が非常にしづらいというのも欠点の一つでしょう。

ただ、確定拠出年金が普及している現在、こういった「ほったらかしで運用される透明性の高い商品」があるというのは、消費者にとっては非常に良いことです。今後はこう言った「モデルケースに従った運用を行う金融商品」が増えていくかもしれません。ただ、常に投資にはリスクがつきものですから、商品をよく理解し、リスクを把握し、その上で自己責任で実施する必要があることは忘れずにいるのが大切です。

今回のこの記事が、商品選択の参考になったのであれば嬉しいです。

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