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不動産投資はなぜ儲かるか?不動産投資の本質は?

こんな方におすすめ

  • 不動産投資の利回りとリスクについて知りたい方
  • 不動産投資で儲ける理論の本当の所を把握したい方

はじめに

不動産投資、よく売り込みの電話が来ませんか?自分も周りもよく電話がかかってきているようです。

あまりによく会社にかかってくるので、面倒になって全てお断りをしているのですが、ふと疑問に思いました。

直感的にはバランスが悪いことは分かっているが、実例で確認したことがない。実際の利回りとリスクはどの程度だろうか?

ということで、不動産投資の本質と利回り、さらにリスクについて、実際の所を追究したので、ご紹介します。なお、ここでいう、不動産投資は特に指定がない場合、不動産賃貸業を示していますので、ご留意下さい。

不動産投資のメカニズム

結論から言うと、「儲けられます」が正しいです。当たり前ですが、必ずしも儲かりません。

不動産投資はFXと一緒!?

実は不動産投資の本質はFXと同じとみることが出来ます。つまり、レバレッジと呼ばれる倍率をかける行為と同じ、ということです。

どういうことかというと、「現在物件を買う余力のない人もローンという名の借金で買える」というのが不動産投資の肝なのです。「不動産自体が資産」ですから、「現在買おうとしている資産を担保」に借金することが出来る、というのが不動産投資のメカニズムで重要な所です。

この「買う余力のない人も買える」というのはまさにFXや信用取引と一緒です。「証拠金を払えば、大きい単位のお金を動かせる」というのと、「借金して大きなお金を動かせる」というのは大して変わらないわけです。ともに、証拠金や担保の価値を超えて損失が発生し、追加で支払いが発生することもありえますから、そういったところも同じです。

なぜ儲けられるのか?

それは勿論、「レバレッジというリスクを取り、大きな金額を動かすから」利益が上がるわけです。1万円の1%と、1億円の1%、どっちが大きいのかは明白です。1万円しか持ってない人でも1億円を動かせるようにする、というのが儲けるためのメカニズムだと言えます。

リスクはないの?

以上で説明してきた通り、リスクの塊です。リスクをとるのだから、リスクを取るならゲインがあって当然、ということですが、リスクに見合ったゲインであるか、というのも大切になります。

家賃保証はどうか?

家賃保証(サブリース契約)しないと不安で仕方ない物件なら、投資する価値がないと個人的には考えます。契約次第ですが、家賃保証で良いのは最初だけで、後半は家賃を下げないとダメだったり、自分の自由に活動できないリスクもあります。契約書をしっかり確認して、デメリットなどを把握すべきでしょう。

不動産投資の収益や利回りを考えてみる

以上に説明した通り、購入する不動産を担保に借金をし、そのレバレッジを利用して、利益を増やす、というのが不動産投資の本質です。では、実際の不動産投資の利回りはどのくらいになるのでしょうか?実際の例を考えて、ざっくり検討していきましょう。

なお、以下のシミュレーションにおいては、なるべく公平な結果となる様に注意して計算を行ってますが、不動産という商品の性質上、より詳細な条件を列挙しなければ、綿密なシミュレーションは不可能です。ですから、多少現実的ではない部分もありますが、今回は例を示しているだけ、ということでご容赦下さい。

不動産の収益は利益ではない

不動産で得られる収益とは利益出ないことがあることを知っておくべきでしょう。

家賃収入があっても、物件購入のための借入金があれば、そちらの支払いをしなければいけませんし、不動産を持っていると固定資産税も払わなければいけません。さらに賃貸で貸し出している場合、次の入居者や設備の老朽化に備えて、室内のクリーニング費用を積み立てたりする必要があります。物件によっては、大規模修繕を控えており、積み立てが必要なケースもあるでしょう。

これらを除いたものが利益ですから、その点は間違えないようにしなければなりません。

ワンルームマンション、フルローンの利回りは1%!?

フルローンで物件を購入する場合の利回りは実質1%程度であろう、というのが自分の考えです。

以下の条件でシミュレーションしましょう。

  • ワンルームマンション投資:2000万円の物件
  • 利率2%、20年フルローン
  • 事業なので、ボーナス返済はなし

この時、月々の返済額は101,175円、返済総額24282000円です(みずほ銀行ローンシミュレータを使用して計算)。

まず、この物件が月13万円で借り手がついたとしましょう。そうなると、月々28825円残りますから、年間345900円がローン控除後の売り上げです。そこからさらに経費を引いていきます。

  • リフォーム費用積み立て: 40万円を20年間中に1回⇒年2万円
  • クリーニング費用積み立て: 4年に1回40000円を仮定⇒年1万円
  • 固定資産税:年5万円程度を仮定

ということで、年265900円程度の粗利益です。つまり、元本に対して、1.33%程度の利回り、ということです。

…が、この試算は相当甘いでしょう。まず、月13万円の値段で貸せるような物件が2000万円で購入できるかが怪しいし、稼働率も見積もりに入れていません。また、経費もこれより多く発生するでしょう。これまで述べて来た様に、2000万円という借金を背負いながら、それで期待出来る利回りが1%程度であれば、リスクとゲインが見合っていない様に感じられます。なお、ローンでない場合、年21万円ほど支払っている利子が不要となるので、年47万円程度の利益となり、2.4%程度の運用益が期待できます。

もしかしたら、次の様な指摘はあるかもしれません。「物件を売却して売却益も狙えるのでは?」と。物件売却はその時の需要や社会情勢に依存するため、物件の売却額は「物件に含まれる土地のみ」だと考えるのが安全でしょう。こう考えた時、1室しかないワンルームマンションで売却益がどの程度望めるかは時の運でしょう。

勿論、最終的には、自分の目標との兼ね合いではあります。ただ、リスクを把握し、自分で電卓を叩き、納得の上で、投資に踏み込むべきでしょう。

夢のある投資は中古戸建て投資

古い戸建てにリフォームを施し、賃貸に出す「中古戸建て投資」という手法があります。個人的にはワンルームマンションより、この手法の方が好みですので、以前に検討したことがあります。

例えば、以下のケースを考えてみましょう。

  • 物件価格400万円、初期のリフォームに100万円
  • リフォーム費用積み立て: 40万円を20年間中に1回⇒年2万円
  • クリーニング費用積み立て: 4年に1回40000円を仮定⇒年1万円
  • 固定資産税:年2万円程度を仮定

となると、初期投資が500万円、10年間貸せるとして、年50万円の償却で十分です。他の年間費用を足しても年55万円。月4.6万円ほどに当たるので、月7万円ぐらいで貸せれば年29万円ほどの利益です。初期投資から考えると、年5.8%の利回りが狙えそうなので、非常に夢があります。戸建ては一定の需要がありながらも、意外と賃貸はないもので、そういった意味でも将来性がありそうです。

不動産投資の大変さ

収益に見合う収入があるか、というのもポイントです。不動産投資の大変さについて、ここで考えてみましょう。

まず、「好立地の好条件物件は出回らない」ということは知っておくべきでしょう。自分たちの手元に来る前に誰かが買ってしまうから、ですね。そのため、中古戸建て投資は、需要がある地域を探し、そこに投資をするケースが多いわけです。ワンルームマンション投資については、だれも買わない物件だからセールスに来ている可能性も高いです。

次に、不動産投資の実態としては、賃貸経営(いわゆる大家業)に等しいのが現実です。ですから、時間も相応に取られてしまうため、サラリーマンとの兼業は覚悟が必要かもしれません。勿論、家が好きだったり、まめな人だったり、組織化して進められる人なら良いのですが、「ワンルームマンション投資で豊かな生活」として謳っている投資とは大きく違うでしょう。会社を運営するのと変わらない形に落ち着くはずで、進める場合には、相応の覚悟が必要といえます。

結局儲かる方法はあるのか?

実際に大家業を営み、十分な利益を出している人というのは多くいますから、「儲かる」方法はあるでしょう。しかし、それには相応の勉強と労務への従事が必要なはずで、株式投資と同列に扱うべきではありません。賃貸経営としては、「不動産の選定眼」「プロモーション力」も重要となってくるでしょう。売却益を望むには、「物件を育てる力」「売り時の判断力」なども必要です。とてもじゃないが、生半可な覚悟で参入出来る領域には思えません。

少なくても、「販売会社から提案される物件」は良くてトントンではないか?という印象です。皆さんはどう考えますか?

不動産を買わない不動産投資

上記で見てきた通り、不動産投資というのは意外と分が悪い投資でもあります。借入金(借金)により投資を実施して、それにより利益を倍増させ、利益を得る。それが、実物の不動産に対する投資です。ですから、リスク許容度には寄りますが、借入金返済のため「利回りは低く」なりがちですし、「リスクも高く」なります。

一方で、定期的に家賃収入が入る、というのは不動産のメリットでしょう。このメリットを享受しつつ、借金によるリスクを避ける方法はないのか、というと、実はあります。それは、不動産を証券化したものを購入することによって実現することが出来ます。つまり、REITという金融商品を買う、というのが解です。利回りも3%以上を持つものも多いです。実不動産と異なり、借金を背負うこともないので、個人的にはおすすめしたい所です。

これについては、過去に記事を書いたので、良ければご覧ください。

参考投資法人って何?からのREITの魅力について

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ただし、REITを購入する場合、不動産投資というよりは株式投資に近くなります。あくまで、「不動産投資をしている会社に投資する」からです。とはいえ、分散投資の一角として、REITを選択する、というのはありではないでしょうか?少なくても、レバレッジをかけるわけではないので、借金をする不動産投資より精神衛生上は安全である、というのも魅力です。

おすすめな出来る(可能性がある)レアケース

これまで不動産投資についてはマイナス面が中心でしたが、おすすめ出来るかもしれないケースというのが存在します。

それは、「引き継いだ土地があり」「立地が良く、入居が望める」場合です。この場合、建物をローンとしても、割と良い収益が上がる可能性があります。勿論、実際に収益が上がるかどうかはシミュレーションが必要ですが、少なくても土地+建物でフルローンを組むのに比べ、採算は取りやすいでしょう。

また、この様に土地を保有している場合、土地を一定期間貸し出す「定期借地権」で利益を得る、という方法もあります。ただ、いずれにせよ、土地を保有している、というだけで、不動産投資については優位な状況に居られると考えられますし、逆に保有していないことにより、不利な状況に居るとも言えます。

そういった状態ではない場合、「掘り出し物物件」を探したり、「一括現金で購入」したり、そういった方法で利回りを改善しないといけません。何にせよ、簡単に収益が得られるほど甘い世界ではないことだけは分かります。。

おわりに

不動産投資の本質について説明し、実際に投資する場合の利回りを簡単なモデルで計算しました。

不動産投資は適切な借入により、収益を強化しているので、借り入れた借金と表裏一体な所があります。ですから、リスクとリターンが見合うかは適切に判断が必要です。

本記事が、皆様の不動産投資のリスク管理の役に立てば幸いです。

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