入門 資産運用

【8分で分かる長期投資】テンプレで始める年金の運用【初心者向けDC/iDeCo】

現代日本では、年金の運用は難しくなりつつあります。確定給付年金から確定拠出年金に移りつつあり、しかもiDeCoなどの節税方法が出てきたからです。これを背景に投資の機会は日々日々増している状況です。

そこで、何も知らなかった以前の自分に向けて、投資のテンプレを目指し、記事を書きました。これを読めば、リスクを踏まえつつ、投資が出来るようになります。文字数も限られているので、さっそく始めてきましょう。

こんな方におすすめ

  • 確定拠出年金に入らざるを得なくなったが、勉強をする時間がすぐには取れない方
  • iDeCoで老後資金の運用を始めてみたいが、概要が分からない方

投資対象の概要

投資対象として考えられるのは、証券化されていて、市場で販売できるものです。ならぜなら、証券化により、以下のメリットがあるからです:

  • 高い流動性を持つので、即金性が高いこと
  • 多人数で分割することで、皆でシェア出来る、つまり少額の投資が可能なこと
  • 様々な「組み合わせ商品」が作れること

代表的なのが株式・債券・不動産です。債権は格付けにも寄りますが、株式や不動産より比較的値動きが安定しています。値動きが安定していることを「リスクが低い」と言いますが、これは「安定的だが、逆に利益が出づらい」ということでもあります(利益と安全性を両方取るのは難しい)。現金も利回り0%の債権の一つとみなせるでしょう。つまり、「低リスク資産=債権」「高リスク資産=債権以外」と覚えておくと概ね正解です。

また、国内・国外問わず投資の対象となりえます。海外の資産への投資は、「物自体の価格変動」だけでなく、「為替の変動のリスク」も負います(プラスにもマイナスにもなる)。

資産運用の口座について

資産運用のためには証券口座が必要です。中でも年金運用専用で使用する場合、最適なのが「確定拠出年金口座(iDeCo & DC年金)」です。

確定拠出年金口座は、

  • 税率の高い現役時代に減税措置を受けられて、
  • 退職後に年金もしくは退職金として受け取れて、
  • 運用益に対する税金が控除される

という、まさに「年金のために設計された」口座です。

残念ながらデメリットも存在して、

  • 原則60歳までは引き出せないこと
  • 減税の上限が限られていること
  • 購入可能商品は投資信託のみであること
  • 購入可能な商品ラインナップも運用証券会社により決まっていること(最大35商品)
  • 60歳~65歳の間に受け取りを開始しなければならないこと(運用期間が限られている)

といったデメリットがあります。

また、企業型確定拠出年金(企業型DC年金)については、

  • マッチング拠出が利用可能な場合、個人型に加入することが出来ない

という制限が現状あります。2022年に法制度の改正がアナウンスされている様ですが、現状は不可能と理解しておけば十分です。

資産運用方針について

年金のため、どういった資産運用をすべきでしょうか?

企業も含め、様々な人を見てきましたが、重要なのは以下の二点でしょう。

  • 許容リスク:最悪、資産の何割を失っても良いか?
  • 投資可能時間:勉強を含めて、投資にかけられる時間

それぞれ説明していきましょう。

許容リスク

一般的に、許容リスクは、「定期収入の額・安定性」「年齢」「家族構成」などにより決定されると説明はされます。が、基準がなくて分かりづらいと思います。

基準とすべきは、「現在着目している資産がどの程度上下することを許すか?」ということです。例えば、ある時、100万円の資産が、明日50万円になることを許容する人は、50%の変動を許容する、ということでしょう。逆に、90万円になることを許容するのであれば、10%の変動しか許容できない、となります。ですから、資金が必要なタイミングによって、許容度が変わることも想像出来るでしょう。

この許容度で、低リスク資産の割合を決定することが出来ます。損失のイメージがわかない人は「年齢[パーセント]」が低リスク資産の割合の目安と考えると良いです。20歳なら20%、30歳なら30%、低リスク資産で保有するのが目安です。

もし、損失を許容する割合が決められるなら、許容割合を2倍にした量が最大の高リスク資産の割合と考えて下さい。30%の損失しか許容できないなら、低リスク資産を100-30%×2=40%保有する必要がある、ということです。

なお、リスク許容度はいつ変更しても構いません。確定拠出年金は終わりが決まっている運用方法ですから、年齢が増えるにつれ、リスクを減らしていく必要があります。ただ、投資金額も少ない初期の頃は、リスクを取っていくのをおすすめします。

こちらもCHECK

適正なキャッシュポジションの計算方法:非リスク資産の比率と基準

続きを見る

投資可能時間

投資に割ける時間は人によって異なります。時間がかけられない人は、どうしても、ファンド側の運用に任せざるを得なくなります。その分、自由度はなくなり、手数料などで利率は悪化するでしょうが、仕方ありません。

それでもリスクを取っている分、保険のような金融商品よりは運用成績が良い可能性もありますし、減税措置も受けられますから、その点は確定拠出年金での年金運用は有利であると言えます。

実際の運用方法:時間がない人編

本当に時間がなく、運用に時間を割けない人は、「ターゲット・デート・ファンド」か、「バランス・ファンド」を100%で購入するしかありません。以下に買い方を説明しますが、柔軟性に欠ける上、手数料が割高になる傾向のため、個人的にはおすすめしていません

それでも、一定数いる「運用から何から何まで任せてしまいたい人」に向けて、以下を書きます。ただ、「必ず単一のファンドを100%で購入」して下さい。混ぜるとリスク管理の観点で危険です。

手数最小商品:ターゲット・デート・ファンド

ターゲット・デート・ファンドは目標日が設定されていて、自動でリスクを下げてくれる商品です。目標日は退職する直前の日の物を選択すれば良いです。退職が2052年で、商品ラインナップが2040年から5年刻みなら、2050年の商品を買う、ということです。

こちらもCHECK

ほったらかし運用専用商品「ターゲット・デート・ファンド」のメリットとデメリット各3選

続きを見る

上記がない場合:バランスファンド

バランスファンドはリスク別に設定がされていて、株式20%の様に、株式の割合で分けられていることが多いでしょう。若い時は株式の割合が高い物を購入し、定期的に株式の割合が低い物に乗り換えていくことで、運用する方法です。

年齢[パーセント]=低リスク資産の割合をヒントにして、バランスファンドを数年~10年おきぐらいで乗り継ぐだけの運用で良いです。

こちらもCHECK

時間を割かずに運用するバランスファンドのメリット・デメリット・選び方

続きを見る

実際の運用方法:自分で運用する人編

シンプルに運用するには商品はなるべく絞り込むのが良いでしょう。ですから、「国内株式」「海外株式」「国内債券」の三つで運用するのをおすすめします。なぜ海外債券が不要なのか?という話ですが、そもそも債券は個人の運用レベルでは不必要と考えていて、現金(日本円)で持つべき、と思っています。

ですが、定期預金のプランが確定拠出年金に無いことも多く、年金向け運用としては、現金の代わりに国内債券を選択するのが一般的です。また、海外債券を入れても、現在は株価と正の相関性を持ちがちで、リスクが低くはならない様ですし、何より為替リスクも気になります。ですから、上記の選択がテンプレにふさわしいでしょう。

各商品の投資の割合について

以下の様に割合を決定します。

  • 国内債券:許容リスクの所で決めた、低リスク資産の割合
  • 国内株式+海外株式:残りすべて

あとは、国内株式と国外株式の比率を決めれば、全体の割合が決まります。以下の様にプランを提案しますので、好きなのを選んで頂ければ。

  • 日本も捨てたものではない、これから伸びると考える方:
    日本株式:海外株式=50:50で保有する。為替的に低リスク
  • 日本はダメ、海外が伸びる、と考える方:
    時価総額を加味して、日本株式:海外株式=10:90で保有する。為替的に高リスク
  • 日本はダメでは無いけど、イマイチ、と考える方:
    上記の中間で保有する。日本株式:海外株式=30:70で保有する。為替的に中リスク

実際の商品については、証券会社によって異なるので、ここでは詳しく述べることはしません。ただ、初心者はすべて「インデックス投資」と言われる「パッシブ運用」の商品を購入するのが外れがないのでお勧めです。インデックスは様々ですが、上記では日本株式ならTOPIX、海外株式ならMSCI KOKUSAIを想定しています。MSCI KOKUSAIは日本が入りませんが、FTSEのグローバル株式インデックスなら日本も入ります…とはいえ日本の割合は1割以下なので、上記の計算でも誤差の範囲でしょう。

上記により、各商品の割合は決定できますから、毎月の積立投資分はその割合を入力しましょう。それだけで、投資の設計は完了です。今後、「ここで決定した商品の割合を維持しつつ運用する」というのが重要になるので、覚えておいてください。

定期的な2つの手入れについて

年金運用はマラソンみたいなものです。ある程度の手入れは必要ですが、高頻度でやる必要はありません。以下の手入れを「出来れば3か月に1回」、「少なくとも年1回」実施するのが良いでしょう。勿論、自分が気になった時にしても構いませんが、売買にも手数料が必要になるのにご注意下さい。

一つ目は、定期的にリスク許容度を再確認し、投資割合を修正すること。これはここまでの説明で出来るはずです。

二つ目は、リバランスです。先ほど述べたように、「決定した商品の割合を維持する」ことが重要となってきます。割合とは資産の時価評価額を意味していて、崩れた商品の割合を修正することをリバランスといいます。リバランスにより、以下の効果が望めます。

  • 割安商品の買い増し
  • 割高商品の売却による利益の確定
  • 許容度に応じたリスクの補正

すなわち、リバランスにより、安定した運用と大損失の回避が期待できます。

こちらもCHECK

利確とリバランスとキャッシュポジションと:資産移動行動を考察する

続きを見る

最終的な受け取りについて

受け取りについては、直前の法制度を確認の上、税金が最小になるように受け取るのが良いでしょう。

少なくても、「年金部分」と「退職金部分」で分けて受け取ることが出来るので、その時の経済状況も踏まえて、しっかり検討するのが良いでしょう。

おわりに

企業型確定拠出年金に入らされた時に知りたかった知識・考えを濃縮して、エッセンスとしてまとめま、テンプレートを目指しました。結果、8分くらいかかる記事になってしまいました(当初予定の5分を超えてしまいました)。

投資は自己責任の世界であり、そういった意味ではリスク管理が最も大切です。上記の記事ではそれを重視した説明にしました。今後、参考に出来る記事を目指しましたので、皆様の投資の判断の参考になればうれしいです。

こちらもCHECK

投資初心者向け投資のやり方ガイド:資産運用理論編

続きを見る

-入門, 資産運用
-, , , ,

© 2022 もぐもぐアカデミー