考え方 資産運用

個別銘柄投資のすすめ:概要編

2021年4月12日

こんな方におすすめ

  • 個別銘柄投資の概要を知りたい人
  • 個別銘柄投資の有利な人はどんな人か知りたい人

はじめに

投資をする、というと、やはり個別銘柄への投資のイメージが有ります。
ただ、個別銘柄投資は、企業の状況を確認して実施するものなので、少し敷居が高いと感じる人も多いと思います。

インデックス投資も個別銘柄を購入することで実現しています。それを考えると、個別銘柄投資は、ある意味投資の原点です。このインデックス投資家も間接的にお世話になる個別銘柄投資について、概要をまとめて見ました。

個別銘柄株式投資の魅力

インデックス投資や投資信託も面白いですが、個別銘柄投資にはそれとは違った面白味が有ると言えます。

個別の企業を応援出来る

なんと言っても、個別企業を応援している実感が強いのが個別銘柄投資でしょう。単元株で投資をすれば、それに見合う議決権を得られ、経営に関係する実感も有ります。また、投資後に値上がりすれば、その達成感も有ります。

市場平均以上を狙える

インデックス投資は市場平均の運用と言われます。個別銘柄投資においては、市場平均以上の利回りを上げることも、投資家の能力によっては不可能ではありません。
ただし、これは、平均以下の利回りになる可能性もあることは忘れては行けません。

株主優待がある

企業によっては、株主優待がある場合もあります。こういった、株主優待制度利用できるのも個別銘柄投資のメリットでしょう。

投資信託との違い

投資信託との大きな違いとして挙げられるのは、分散投資のされ方です。投資信託は、選択したファンド次第ですが、数十から数千の銘柄に分散投資することが出来ます。しかも、1000円以上一円単位で購入出来ることさえあります。これば、複数の人間で銘柄の権利を共有するからこそ実現可能なことで、個人でこれだけの分散投資を個別銘柄投資で実現するのは困難でしょう。

もし同じことを個別銘柄投資で愚直にやろうとすると、投資信託に全く及ばない銘柄数への投資でさえ、大量の資金が必要となります。例えば、単元株で10万円の株式を20社分調達するには、最低でも資金が200万円ほど必要となります。こう考えていくと、初心者が個別銘柄で投資をする場合、少し費用負担が大きいかな?という印象を受けてしまいます。

なお、最近は便利なサービスが有り、単元未満株での購入が可能な証券会社も複数有ります。これについては、別の機会にまとめたいと思います。

投資方針の策定

個別銘柄投資は枠に囚われない自由な投資です。ただ、そうとは言っても、ある程度投資には型ともいうべきものが有るので、紹介したいと思います。

集中投資

投資方法で最も分かりやすいのは、特定の会社に集中投資する方法でしょう。この場合、伸びるであろう企業を選定し、そこに投資資金を賭けることになります。もちろん、その会社がダメになれば、大きく損をすることになるので、ハイリスクな取引になります。

広義には、ある分野の企業のまとめ買いも集中投資型と言えるでしょう。何にせよ、利回りを追求して、リスクを取る形のトレードになりますから、ギャンブル要素が大きくなります。

複数セクターの分散投資

会社を一社のみに絞ると、その会社に頼ることになるので、複数の会社に投資しよう、と考えるのは自然です。また、同じ分野だと同じ動向になりそうなので、様々な投資分野に投資する、というのも分かりやすい発想です。これが、分散投資の基本的な考え方です。

ただ、極限まで分散投資を進めると、結局インデックス投資に近づくことになります。インデックス投資と同じ配分になるのであれば、インデックス投資の方が安価なので、そちらをやるべきですから、どこまで分散投資するか、はひとつ大きな基準でしょう。
例えば、景気敏感株は減らすとか、勝てなさそうな分野は外すとか、そういった選別も必要です。

高配当株投資

いわゆる、高配当銘柄に優先的に投資する投資手法が高配当株投資です。配当金を年金代わりにしたい人が使用する投資方法として有名です。高配当とは、厳密な定義などが有るわけでは有りませんが、個人的には税引き後3%の利回りが基準だと考えています。税金が20%とすれば、3.75%以上の配当が年に出る企業ということです。

バリュー株投資

株価が実態より割安に判断されている銘柄に対して投資する手法をバリュー株投資といいます。バリュー株投資家の大御所といえば、バフェット氏です。バリュー株投資家は財務などのデータを読みつつ、社会状況などの外的要因を分析し、その上で長期投資を行うことが多いようです。

グロース株投資

バリュー株投資と対比される投資手法で、成長中の株式を購入する手法がグロース株投資です。株価の成長に企業の実力が追い付いているかを判断することが出来るか?もしくは追い付いていなかったとしても、売り抜けられるか?が重要となってきます。

個別銘柄投資のリスクとリスクヘッジ

投資信託と異なり、分散投資をするもしないも自分次第、ということが最大の違いでしょう。ある会社にかけて一極集中投資しても良いし、複数の会社に分散投資しても良い、ということです。

リスクは投資の仕方によって様々で、自分が全て設計することが出来ます。とはいえ、リスクヘッジは非常に重要であり、通常は分散投資により、リスクを押さえる方法を取ることが多いです。

個別銘柄投資で有利な人

個別銘柄投資は誰でも始めて良い透視法ですが、有利な人は間違いなく居ます。簡単に例を紹介します。

企業動向調査が好きな人

様々な企業の動向を調べるのが好きな人、例えばビジネスマニアなどは、投資上有利であると言えます。投資は、自分の持つ情報を元に行うので、情報が多ければそれだけ有利です。

投資上の強みのある人

例えば、鉄鋼業界と取引のある商社マンが、鉄鋼業界へ投資を行う、というケースを考えてみましょう(インサイダーでないことを想定します)。この場合、直接的に鉄鋼業界の景気を知れる立場にあります。経済指標が出る前に投資の判断が出来る、というのは他の人を出し抜ける可能性がある、大きな強みです。
この様な状況にある人は、特定分野においては優位な立場に有りますから、個別銘柄投資に適している、とも言えます。これは、情報の非対称性に基づく、有利さと言えます。

おわりに

個別銘柄投資について、概要を説明しました。

個別銘柄投資はインデックス投資と異なり、平均ではなく個々を見る投資方法です。それゆえ、投資家の背景などにより、有利不利が別れるとも言える投資法とも言えます。

個別銘柄投資のために勉強をしても良いし、投資信託で運用するのも勿論良いと思います。リスクがあるものですから、この記事が方針検討の参考になれば嬉しいです。

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