この記事はこんな方におすすめ
- DIYが趣味で、工作のレパートリーを増やす工具を探している人
- トリマーの選択に困っている人
はじめに
トリマーは面取りなどのトリミングを行う工作器具です。通常、木工に用いられます。トリマーを用いると、面取り、飾り面取り、溝掘り、切断、と色々な用途に使うことが出来て便利です。ですから、少しでも木工、DIYのレベルを上げたいと思ったら、トリマーは購入して損のない電気工具の一つでしょう。特に、トリマーの役割は、人力工具が少なく、DIYの範疇であっても、電気工具が必要になるといっても過言でありません。
自分も、溝掘りのために、トリマーを購入して、木工を楽しんでいました。その時の反省を踏まえて、トリマー選びで注意することをまとめて行きたいと思います。
素人には回転速度は遅い方が良い
実はトリマーの回転速度は遅い方が良いのです。
スペック重視の諸先輩方からは怒られてしまいそうですが…。
トリマーの回転速度は言ってしまえば加工速度です。早ければ早いほど、沢山の木を短時間で大量に削れます。これは、職人の方であれば重要なスペックだと思います。なぜなら、加工時間=加工工賃ということで、短時間で加工することがプロには求められているからです。
一方、加工速度を早くするには限界があります。まず、摩擦熱で加工対象物である、材木が焦げる、という問題があります。そのため、ギリギリまで回転速度を上げるにしても、刃の形状と、対象とする材質とを勘案して、経験などを元にして速度を決めてやらなければいけません。これは日曜大工で木工をやる人にとっては、相当高いハードルと言わざるを得ません。しかも、加工後には刃は熱を持ちますので、火傷のリスクもあります。
そして、回転速度を早くすることによるデメリットはまだあります。例えば、加工時の反動です。トリマー台を使っている人は別ですが、手でもって加工に挑んでいる場合、筋力と加工精度には相関関係があります。つまり、「筋力が高ければ、ズレルことなく加工が出来る=加工精度が高い」という物です。これは、実際にトリマーを使っている方であれば、納得できると思います。そして、これに従えば、回転速度が高いほど、押さえつける力が必要となります。つまり、精度は悪化しやすい、とうことです。
さらにさらに、回転速度が速ければ速いほど、騒音がひどくなります。素人は大抵自宅で使うでしょうから、ご近所様の事を考えると、騒音は小さいに越したことはないはずです。
以上より、趣味のDIY程度であれば、トリマーの回転速度を上げる意味は「あまりない」ということになります。プロは作業時間=コストですから、重要視しますが、趣味のDIYであれば、ここまでやらなくても、という感じがします。
トリマー選択のココがポイント
「加工精度」「取扱い」「騒音」の観点で高回転型トリマーは不利
低速トリマーのココがダメ
加工時間が延びる
トリマーを選ぶ時の要点
回転速度
上記に書いた通り、回転速度が重要です。…が、低速なトリマーというのは実はあまりなく、可変速で対応することが多いです。
単位は1分あたりどれだけ回転するか?という意味で、min-1となっています(rpmと同じ)。数値が高ければ、回転速度は速いという事になります。多くの製品が採用している、基準となる速度は30000min-1ですから、これより遅いか遅く出来る物がおすすめです。
コレットチャックのサイズ
トリマーの刃(トリマービットと言います)は、6mmと1/4inchの2種類があります。コレットチャックが両方ともに対応しているか、もしくは販売しているかを確認しましょう。
本体のサイズ
トリマーは意外と大きい工作機械です。ですから、十分に持てる大きさか?重量は適切か?いった視点でも商品を見た方が良いでしょう。
トリマーテーブルの対応可否
もし、将来的にトリマーテーブルを使用する予定があるのであれば、対応しているか否かを確認しましょう。
トリマー側にねじ穴があり、それを使ってトリマーテーブルに固定する、というのが通常のはずですが、検討しているトリマーテーブルのドキュメントや対応トリマー一覧を参考にして、対応可否を考えると良いでしょう。
トリマー使用経験者の作るトリマーおすすめランキング
ここまでの流れを踏まえて、おすすめトリマーを以下に紹介します。
TRE-60V, 京セラインダストリアルツールズ(元リョービ)
おすすめするトリマーは、京セラのTRE-60V。京セラになる前のリョービが作っていた製品で可変速度機構がついたトリマーです。別売になりますが、インチ系のコレットチャックも購入可能なので、トリマービットは6mmも1/4インチも両方とも使うことが出来ます。回転数も16000min-1まで落とすことが出来るので、騒音も抑制出来ます。
自分も購入して、実際に使いましたが、非常に使いやすく、流石日本メーカー製だな、と感心する作りだったのを覚えています。是非、候補に入れてあげて下さい。
RT50DRG, マキタ
もし、コードレスを買わないといけないなら、マキタのRT50DRGかな。個人的には、電力供給的にコードがあった方が安心できるので、コード版一択なのですが、トリマーの加工中に刃で電源ケーブルを巻き込んで切断させかけました。コードレスならそんなこともないので、そういった意味ではお勧めです。また、こちらは回転数を更に10000min-1まで落とすことが出来るので、さらに騒音を抑制出来ます。
じゃあなんで第2位なのかというと、流石にコードレスにすると、お値段的に気になるな、という感じでして…。コードレスが良い人は、検討してみてはいかがでしょうか。
高儀 EARTHMAN, TR-100
最後のお勧めは格安トリマーです。本当なら格安トリマーは基本的にはおすすめしていません。なぜなら、先ほどの通り、騒音の問題があるからです。低速で回せて、それなりにトルクの出せるモーターはお値段が高いので、商品価格も上昇して当然です。
高儀のトリマーは6000円以下で購入可能で、しかも日本メーカーである高儀が品質保証をしてくれているので、お勧めします。保証のない、ノンブランドとか平行輸入品ではありませんから。回転速度は30000min-1。これぐらいの速度になってくると、モーター音だけでも結構気になるので、使えるかどうかは時間帯とか環境次第かなと思います。
しかし、この値段であれば、買ってみて試すのには十分でしょう。多少騒音が覚悟出来る地域であれば、格安トリマーを試して、何が足りないかを明らかにしてから、本命を買うのも悪くありません。
電動工具の取扱いには注意
電動工具は楽に加工の幅を広げてくれる良い工具ですが、その一方で、その出力の高さと刃物を使うという特徴から、怪我の原因にもなりうる機械です。工具を使う時には、安全対策をしっかり行った上で実施する様にして下さい。
作業時には作業ゴーグルと作業用手袋があると安全です。
作業用ゴーグルは、500円以下の安い物も市場にはありますが、透明度が低かったり、フィッティングが甘かったりすることがあるので、それなりの物を買うことをお勧めします。視界の担保は安全の一歩ですからね。
作業用手袋は、防御力と使いやすさのバランスが大切なので、好きなのを買えば良いと思います。ただ、洗える物の方がおすすめです。
DIYをより自由にしよう
トリマーがあると、木工で出来ることが広がります。
その結果、DIYがより自由に、より楽しくなります。ですから、是非トリマーの導入の検討してみて下さい。
皆様が楽しいDIYライフを過ごせます様に。