こんな方におすすめ
- 株の暴落により、資産がどれだけ目減りするか知りたい方
- 株価の最悪値から、運用方針の検討をしたい方
- 現在の株価を見て、暴落ではないかと不安に思っている方
皆さんは投資の時のスタイルはどんな感じでしょうか?
運用資産額が少ないうちはどんな運用方法でも、心理的な負担は少ないのですが、資産額が増えてくると、色々と心配になってくると思います。特に、株価の暴落が起きると、含み損が増え、資産が一気に目減りした様に見えるため、心配になる人も多いと思います。
そこで、リスクをより深く考えるため、株価暴落について調べてみました。
データでみる株価暴落
米国ダウ平均株価の推移
まずは、世界経済の牽引約である、米国のダウ平均株価指数の推移を見てみましょう。ダウ平均株価指数のデータはこちらから参照出来ます。
ただし、長期に渡る下げ相場であった、1965年~1985年については回復年を合理的に算出出来ないので、それらについては省略しています。また、世界恐慌については、影響が大きすぎて、影響が分離しきれないと思ったので、?マーク付きの記載になっています。
発生時期 | 株価減少率 | 回復経過 | |
世界恐慌 | 1929年8月 | 3年弱で85%の下落 | 1932年6月に底 1959年5月に回復(?) |
世界的な高金利[ref] | 1969年 | 1968年11月~1970年6月で37%の下落 | 1970年6月に底 |
オイルショック | 1972年 | 1972年12月~1974年11月で50%の下落 | 1974年11月に底 |
ブラックマンデー | 1987年10月 | 1987年8月~11月で32%の下落 | 1992年3月に回復 |
日本のバブル崩壊 | 1990年1月 | 1990年7月~10月で18%の下落 | 1990年10月に底 1991年5月に回復 |
ITバブル崩壊 米国同時多発テロ | 2001年1月 2001年9月 | 2001年1月~2002年9月で33%の下落 | 2002年9月が底 2007年4月に回復 |
サブプライム・ショック リーマンショック | 2007年10月 2008年9月 | 2007年10月~2009年3月で50%の下落 | 2009年9月が底 2013年11月に回復 |
チャイナショック | 2015年6月 | 2015年9月~2015年10月で7.4%の下落 | 2015年9月が底 2015年10月に回復 |
コロナショック | 2020年1月~2020年5月 | 2020年1月~2020年5月で24%の下落 | 2020年5月が底 2020年11月に回復 |
S&P500, TOPIXの場合
近年の不況については、他の指標を見てみましょう。参考として、上記のダウ平均株価のデータも掲載してあります。なお、S&P500はSPYの株価を使用し、TOPIXについてはgoogleのデータを確認しました。
発生時期 | ダウ平均の動き | S&P500、TOPIXの動き | |
ITバブル崩壊 米国同時多発テロ | 2001年1月 2001年9月 | 2001年1月~2002年9月で33%の下落 | S&P500:40%減少 |
サブプライム・ショック リーマンショック | 2007年10月 2008年9月 | 2007年10月~2009年3月で50%の下落 | S&P500:56%減少 TOPIX:52%減少 |
チャイナショック | 2015年6月 | 2015年9月~2015年10月で7.4%の下落 | S&P500:大きな影響なし TOPIX:大きな影響なし |
コロナショック | 2020年1月~2020年5月 | 2020年1月~2020年5月で24%の下落 | S&P500:33%減少 TOPIX:23%減少 |
データから分かること
とにかく、世界恐慌の破壊力の強さが印象的ですね。失われた10年どころか、失われた30年ですから。バブル崩壊によるインパクトの大きさがどれほどかを物語っています。そう考えると、一方で、日本のバブル崩壊は失われた20年で済んだので、これは時代の差によるものなのか、運による物なのか…。何はともあれ、弾けた反動はとてもじゃないが、無視できるものではない、ということでしょう。
ポイントとなるのは、各指数は概ね同じような動きをしている、ということでしょうか。本来であれば、相関係数を計算すべきかもしれませんが、上記の解析だけでも、現代のグローバル経済においては、一つの指数に20%以上の影響があると、他の指数にも影響がある、と思った方が良さそうだ、ということが分かります。逆に、チャイナショックとして知られていた2015年のショックは、地域が限定的だったのもあってか、殆ど指数には影響がなかった様です。勿論、個別株には大きな影響が出ていた様なので、これはインデックス投資の長所が出てきた、ということでしょうか。
そういった観点では、複数のインデックスに分散投資しても分散投資にならない、ということを意味します。資産運用において、不況対策を行うのは中々難しい、ということが改めて分かります。となると、本当は債権など、別の金融資産への影響などを確認する必要がありそうです。
過去の不況からの学び
暴落は30%、大暴落は50%を仮定せよ、ということだと理解しました。また、暴落でも大暴落でも5年程度の回復期間があれば、株価は戻る、ということです。これは朗報だと言えるでしょう。一方で、「大恐慌」だけは備えられないレベルの恐慌だと分かりました。元本が15%になり、戻るまで30年近くかかる、ということになるとカバーがしきれないレベルになります。
やはり、金融資産ではなく、現金で生活資金を用意しておくのは重要、ということでもあります。特に、5年は金融資産を当てをせずに生活出来る様に整えておくと、値落ちした資産を売却しなくて良くなる可能性が上がりますので、重要なことだと感じます。
おわりに
経済不況における株価の変化を調べたので、まとめてみました。
「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」とはドイツ初代宰相ビスマルク氏の発言だそうです。必ずしも歴史を繰り返す訳ではありませんが、歴史を学べは、リスクは必ず低くなります。今回のデータも、各々のリスクを考える上で、重要なデータになると思います。
投資は自己責任ですから、リスクをしっかりと把握して、取り組むことが大切です。皆さんの投資のリスクを考える際の参考になれば嬉しいです。